手術支援ロボット「ダビンチXi」について
2023/01/04
厚木市立病院は 手術支援ロボット「ダビンチXi」を導入しております。
手術支援ロボット「ダビンチ」とは
- 手術支援ロボットは、本体、操作台及び助手用モニターで構成され、術者は3Dモニターを見ながら本体を遠隔で操作し手術を行います。手指の動きをロボットアームの鉗子(かんし)に連動させて再現するもので、従来の腹腔鏡手術に比べ操作性に優れています。
- また、傷口が小さいなど、体への負担が少なくなるほか、より正確な手術を行うことにより、医療安全上のリスクを低減することができます。
ロボット支援手術の特徴
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3本のアームがコントローラーを通して術者の手の動きを正確に再現 |
診療実績
診療科 | 術式 | 病名 | R5年度 | R6年度 |
泌尿器科 | 前立腺悪性腫瘍手術 | 前立腺癌 | 33件 | 27件 |
外科 | 直腸切除・切断術、結腸悪性腫瘍手術、胃切除術、胃全摘術 | 直腸癌、結腸癌、胃癌 | 23件 | 34件 |
産婦人科 | 腹腔鏡下子宮全摘手術、腹腔鏡下仙骨膣固定術 | 子宮筋腫、子宮腺筋症、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤) | 0件 | 33件 |
合計 | 56件 | 94件 |
※R5年度は8月から手術開始(9か月間) ※R6年度は、R7年1月までの実績(10か月間)
対象術野
前立腺、腎、直腸、結腸、胃の悪性腫瘍、子宮筋腫、子宮腺筋症、骨盤臓器脱など
導入機種
ダビンチXi
ダビンチを構成する主な3つの機器
①ペイシェントカート
患者さんに接続する機器です。3本のアームと1本のカメラが装着されています。アームにはメスや鉗子などさまざまな種類があり、術者はアームを遠隔で操作して手術を行います。
②ヴィジョンカート
ペイシェントカートのカメラから送られてくる画像を基にハイヴィジョン3D画像を作成します。作成された画像は、サージョンコンソールを通して術者の眼前に映し出されます。
③サージョンコンソール
術者が操作する機器です。術者は、ヴィジョンカートから送られてくる3D画像を見ながら、手元にあるコントローラーを操作し、ペイシェントカートのカメラや3本のアームを動かします。
当院医師からのコメント
泌尿器科部長 畠 憲一 |
泌尿器科厚木市立病院では、2023年8月に「ダビンチXi」によるロボット支援手術を市内で初めて導入しました。「ダビンチXi」は他の機種とは異なり、”テーブルモーションテクノロジー”により、患者様の乗る寝台とペイシェントカートがします。それにより患者様の体位変換がスムーズに行えるようになり、今までのロボット支援手術よりもさらに安全に手術が行えるようになりました。 |
外科上席医長 成廣 哲史 |
外科ロボット手術は多くの術式で保険適応となり、消化器外科領域(大腸癌,胃癌)においても着々と普及が進んでいます。その特性(拡大視野・手術機械に関節があり自由度の高い動きが可能・手振れが無いなど)から、2024年度大腸癌治療ガイドラインでは“ロボット支援手術は直腸癌手術の選択肢の1つとして行うことを強く推奨する”という記載が入りました。結腸癌手術および胃癌手術においてもまた、周術期合併症の低下など多くの利点が報告されています。 |
産婦人科医長 下舞 和貴子 |
産婦人科ロボット手術はその特性(拡大視野・手術機械に関節があり自由度の高い動きが可能・手ぶれがない)により、骨盤深部の操作を得意としております。骨盤臓器脱では通常の腹腔鏡手術よりも、より安全に出血を少なく手術する事が可能です。 |